Ga-67のエネルギーウィンドウ(TEW以前)

TEW法を用いたGa-67イメージングについては、
などを参考にされたい。ここでは、それ以前の話を・・・

「標準的な核医学プロトコール」(1994年 第3次改訂)
(社)日本アイソトープ協会医学・薬事部会 核医学イメージング規格化専門委員会には
下記のように書いてある。

[コリメータ]
中エネルギー用コリメータを使用する。

[エネルギーウィンドウの選択]
(1)1個のエネルギーウィンドウを用いる場合
 184keVを中心とした20%(±10%)または93keVを中心とした20%(±10%)ウィンドウで撮像する
(2)2個のエネルギーウィンドウを用いる場合
 184keVを中心とした20%(±10%)ウィンドウに、93keVを中心とした20%(±10%)または296keVを中心とした20%(±10%)ウィンドウで得られた計数を加算して撮像する。
(3)3個のエネルギーウィンドウを用いる場合
 93keVを中心とした20%(±10%)、184keVを中心とした20%(±10%)、296keVを中心とした20%(±10%)の3個のウィンドウで得られた計数を加算して撮像する。



 上記(1)〜(3)、どれがよいのか・・・?

 木田 哲生,増田 一孝,他(滋賀医科大学付属病院):67Ga Planar画像収集における最適エネルギーウィンドウの検討.日本放射線技術学会第55回総会学術大会 一般研究発表後抄録
 上記文献では、パワースペクトルおよびコントラストにて評価・検討されている。それによると、「比較的、被写体厚が小さい場合や、頭頸部、肺には93&186keVが、被写体厚が大きい場合には、3peak収集が最も画像の信号強度上、有利である。」とのことである。

 だが、各機種間におけるI-123放出γ線に対するコリメータ性能比較にあるように、中エネルギー用コリメータは機種間差が大きい。
 機種によって最適な撮像法を探すべきと思われる。
 最近のガンマカメラでは、数種類のエネルギーウィンドウの画像を同時収集できる。下図は、「各機種間におけるI-123放出γ線に対するコリメータ性能比較」の機種AのMEGPコリメータによる画像である。このコリメータで撮像した300keVウィンドウの画像の臨床的価値ははたして・・・。



 佐藤 敬,福喜多 博義,他:67Gaシンチの最適撮像条件についての検討.千葉核医学研究会誌15・1,1999
 上記文献では、HEGPコリメータを用いた検討がされている。HEGPコリメータでは、2ピークと3ピークはほぼ同等であり300keVの選択は画質にあまり悪影響を及ぼさないとのことである。

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