CCF(cross calibration factor)
SPECTカウント値を放射能(cpm単位)に換算しようとするものである。
123I-IMPによる局所脳血流定量などに用いられる。
ファントム撮像により得られるSPECTカウント値とウェルカウンタで測定される1mlあたりの放射能の関係を求める。
| S (count/pixel) |
CCF(Cf値) = |
|
| W (cpm) |
S:SPECTの1ピクセルあたりのカウント値
W:ウェルカウンタで測定される1mlあたりの放射能
[使用薬品]
123I-カプセル水溶液または、123I-IMPをクエン酸緩衝液(1gあたり0.1mol)に溶かしたもの。
クエン酸緩衝液(1gあたり0.1mol)はクエン酸水素2ナトリウム0.1mol(26.3g)を蒸留水に溶かし1gとしたもの。
[使用ファントム]
直径18〜20cm前後の円柱ファントムまたはECT脳ファントム(京都科学(株)社製IB-10など)
円柱ファントムでは頭骨と同程度のガンマ線吸収をもつ吸収体を巻き付けておくことが望ましい。
ECT脳ファントムでは頭骨を想定して、外容器に硫酸銅水溶液(硫酸銅21g/蒸留水145ml)を充填するのが望ましい。
[放射能濃度例]
実際の123I-IMP脳血流SPECT撮像時の予想脳内濃度
円柱ファントムの場合:7.4kBq/ml
ECT脳ファントムの場合:灰白質部分は7.4kBq/ml、白質部分は3.7kBq/ml
[方 法]
臨床における条件と同じ収集条件で収集し、臨床における条件と同じ再構成条件でSPECT再構成を行う。
transverse画像上にてROI(位置は外周近く、形状は任意、大きさは10ピクセル以上)をとり、1ピクセルあたりのカウントを求める。
ファントム内の溶液を正確に1mlとり、これの放射能をウェルカウンタで測定する。
上式にてCCFを算出する。
1/2の濃度、1/4の濃度でも行い、横軸にW、縦軸にSをとり、3点から得られる直線の傾きから求めるのが望ましい。
参考文献・図書
パーヒューザミン注によるr-CBF定量ハンドブック-I 日本メジフィジックス株式会社
ICON Software Library シーメンス旭メディテック株式会社
齋藤京子、他:123I-IMPとSPECTを用いたAutoradiography(ARG)法による安静時局所脳血流定量の再現性,核医学34:343-348,1997
藤岡弘良、他:ガンマカメラによる血中放射能測定の検討,核医学35:321-326,1998
蜂谷武憲、他:SPECT装置とウェルカウンターのクロスキャリブレーションの安定性,核医学技術15:105-109,1995
増田安彦、他:マイクロスフィアモデルのよる持続動脈採血法(旭川日赤法)の実際と注意点,BFIC17:59-64,2001
放射線診療における品質管理−テストツールを用いた放射線・MR・USのQC−:医療科学社
文献検索協力 日本メジフィジックス株式会社
(c)Copyright 2002,The Society of Nuclear Medicine Technology in CHIBA