第57回千葉核医学技術研究会報告
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印象記

茨城放射線技師会RI研究会委員長  塙 升   東京医科大学霞ヶ浦病院
 

 今回、千葉核医学技術研究会からのお誘いを受けて茨城県のRI研究会と共催という形式で千代田テクノル(株)大洗研究所を見学することなりました。
 この企画は、私どもにとって他県の研究会と合同で開催するという事でとても意味深い企画であり、他県の核医学検査を担当している技師の方と顔見知りになり交流のきっかけになればと、お話をいただいて茨城県のRI研究会の委員長としてすぐに了承し、企画幹事の船橋医療センターの小野寺敦様にご苦労をかけ開催の運びにこぎ着けました。
 千代田テクノル(株)大洗研究所は、日本原子力研究所大洗研究所の北側に隣接しています。 同研究所は、民間唯一の計量法に基づく放射線分野の認定事業者として国より認可された施設であり、放射線測定器の校正を行なう校正施設と完全自動化されたガラスバッチ開封、測定から再使用するためのア二-ルそして組み立て発送する測定センターと2施設からなっています。
 校正施設は、5つの照射室に7台の照射・校正装置を有し、線源等には137Cs γ線、 60Coγ線,147Pm β線、85Kr β線,90Sr - 90Y β線,241Am - Be 中性子を使用して行い 校正方法として置換法、線源法で行っていました。私の感覚では散乱線等の影響を考えて大きな部屋を考えていたのですが10メータにみたないコンパクトな部屋で校正をされていたのが予想外でした。また、施設内には、全国から依頼された校正済みの測定器が棚に所狭しと並んでいました。
 測定センターには、個人被曝線量計の歴史を見るコーナ、ガラスバッチの構造から測定ラインでのバッチの動きを手に取って見るコーナとが2階のフロアに設置してありました。このフロアでガラスバッチの測定ラインの説明を聞いた後、一階の自動化された測定ラインの見学に移りました。完全自動化されたGSA測定ラインに載せたガラスバッチは、センサ分別装置で素子とケースのラインに別けられた後、それぞれのラインを進みます。素子は、ガラス洗浄装置→プレヒート装置→ガラス線量計自動測定装置→アニール装置→モニタ組立装置へ。ケースは、洗浄、消毒され古いラベルが剥がされ、モニタ組立装置で初期化された素子と組立てられ 個人専用の2次元バーコードラベルが貼られ顧客のもとへ配送となる。また測定結果は、線量管理システムにより報告書として報告される。施設は、ISO9001の認証を受けている事を伺わせるかのようにGSA測定ラインは、故障にも対応できるよう二重ラインに、またラインの各部署には細かく記したチャック表が置かれ、各工程が厳しい管理下の基に置かれていることを目の当たりにして、われわれの個人の被曝管理がこのような環境の中で行われていることをはじめて知ることができました。
 今回の企画は、千代田テクノル(株)大洗研究所の見学、ホテルでのナイトセミナー(放射性固体状医療廃棄物関連測定器の紹介)、懇親会と三部門で構成された訳ですが、それぞれにじつに実り多い企画だったと思っております。茨城県の参加者からも今回の企画に対し、「参加してよかった」という意見を多く聞きました。また、参加できなかった会員からは「もう一度企画して」との話もあります。茨城県のRI研究会としては、101回という新たなスタートに相応しい会だったと自負しております。
 最後に、この企画にお誘いをいただいた千葉核医学技術研究会 代表世話人の酒井 良介様、 幹事の労を頂いた小野寺 敦様、茨城との連絡を担当していただいた小野寺 晋志様をはじめ 今回の企画に参加していただいた皆様に心から感謝いたします。本当に有り難うございました。



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